論文掲載 CUREUS Journal of Medical Science
大学院博士前期課程在学中の森松千夏さんの研究論文が,CUREUS Journal of Medical Scienceに採択されました.本論文は外川教授指導のもと行った研究です.
脳卒中を経験した患者が、発症後どのタイミングで運転を再開できるかは、患者の回復状況や安全性に深く関わります。欧米諸国のガイドラインでは、脳卒中後は脳出血の場合は6ヵ月は運転再開は禁止されており、脳梗塞の場合も2~3か月は運転を控えるようになっています。しかしながらいくつかの先行研究では1ヵ月以内に運転再開しているケースも報告されていました。そこで、本研究では、脳卒中発症後30日以内の運転再開に影響を与える要因を調査し、その結果を報告しました。
本研究は、脳梗塞や脳出血を発症し、24時間以内に集中治療室(ICU)へ搬送された患者を対象に実施されました。239名の患者データを分析した結果、66名が発症から30日以内に運転を再開していることが確認されました。
解析の結果、65歳以上の患者は、65歳未満の患者に比べて運転再開の可能性が低いことが示されました。また、脳卒中の重症度を示すスコア(NIHSSスコアおよびJCSスコア)が高い患者の運転再開の可能性が低いことがわかりました。
本結果は、脳卒中を経験した患者へのサポートや教育に役立つことを期待しています。特に、運転再開を目指す患者に対し、適切なリハビリテーションや支援を提供するための指針となる可能性があります。
論文名
Association of Age and Neurological Severity at Intensive Care Unit Admission With Driving Resumption Within 30 Days of Stroke: A Single-Center Historical Cohort Study
https://www.cureus.com/articles/292405-association-of-age-and-neurological-severity-at-intensive-care-unit-admission-with-driving-resumption-within-30-days-of-stroke-a-single-center-historical-cohort-study#!/
DOI:10.7759/cureus.68800