論文掲載 Cureus
作業療法学科大学院生・大戸普賢さん(指導教員:藤井浩美教授)らの研究成果が、学術誌『Cureus』に掲載されました。本研究は、自閉的傾向や不安など情緒的課題により不登校状態にある中学生2名に対して、自宅訪問型の作業療法を実施し、その支援過程と成果を報告した症例研究です。
情緒的な要因による不登校(Emotion-related School Attendance Challenges: ER-SAC)は、日常生活や対人関係に困難を抱える生徒に見られ、標準的な学校支援が届きにくい課題です。本研究では、作業療法士が信頼関係の構築から介入を開始し、感情表現の促進、日課の再構築、興味に基づく目標設定を通じて、社会的関わりと生活参加の改善を目指しました。
支援を通じて両症例において対人関係、余暇活動、対処スキルにおける改善が確認されました。特に、将来の展望を持てるようになったことや、部活動等への積極的な参加が可能となったことは重要な成果です。本研究は、情緒的課題を抱える生徒への個別的かつ柔軟な支援モデルとして、今後の教育・福祉分野への実践的示唆を提供するものです。
• 論文タイトル:Home-Based Occupational Therapy for Emotion-Related School Attendance Challenges: Two Case Studies
• 掲載誌:Cureus, Vol.17, Issue 12, e99782, 2025年
• 論文URL:https://www.cureus.com/articles/408025
• DOI:10.7759/cureus.99782