論文掲載 The Journal of Neuroscience
作業療法学科の仁藤充洋教授、Shirley Ryan AbilityLab(米国)のMonica A. Perez教授、Copenhagen大学(デンマーク)のJens B. Nielsen教授らの研究グループによる研究成果が国際学術誌『The Journal of Neuroscience』に掲載されました。
脊髄損傷では、手足を動かそうとしたときに通常は力を抜くはずの拮抗筋が過剰に反応する伸張反射の亢進(痙縮の主症状の一つ)がみられ、運動の妨げとなることが知られています。感覚神経を刺激して誘発される反射応答(H反射)には、繰り返し刺激すると反応が弱まる仕組み(Post-activation depression) があり、これまでの研究から、この働きが痙縮を伴う者で低下し、痙縮の臨床的徴候や症状の発現に関連していることが示唆されてきました。
本研究の結果、伸張反射亢進有無にかかわらず、脊髄損傷者では健常者と比較して一様にPost-activation depressionが低下していることが明らかになりました。また、このPost-activation depressionの低下は、伸張反射の大きさやModified Ashworth Scaleによって評価される痙縮の重症度とは相関しませんでした。
これらの結果は、痙縮の発現メカニズムを理解し、今後の治療や評価方法を検討する上で重要な知見と考えられます。
論文タイトル:Reduced Post-Activation Depression in Humans with Spinal Cord Injury is not related to Stretch Reflex Hyperexcitability
著者:Mitsuhiro Nito, Bing Chen, Jens B. Nielsen and Monica A. Perez
掲載誌:The Journal of Neuroscience
URL:https://doi.org/10.1523/JNEUROSCI.0840-25.2025