論文掲載 Life
大学院博士後期課程在学中の岡澤和哉さんの研究論文がLifeに採択されました.本論文は,加藤教授の指導のもと実施した臨床研究です.
本研究では,人工膝関節全置換術(Total Knee Arthroplasty; TKA)を受けた患者を対象に,ドライビングシミュレーターを用いて術後13日目に運転動作を評価し,身体機能との関連性を検討しました.アクセル・ブレーキ操作の動作時間(Motion Time; MT)とブレーキペダルを踏む力(Brake Pedal Force; BPF)を指標として,それらと膝関節可動域,下肢筋力,歩行能力,および疼痛(Visual Analog Scale; VAS)との関連性を検討しました.その結果,MTは膝伸展筋力,および歩行比とそれぞれ有意な相関を示し,BPFは歩行比,およびVASとそれぞれ有意な相関を示しました.さらに,重回帰分析により,MTの有意な予測因子は歩行比,BPFの予測因子は歩行比,およびVASがそれぞれ抽出されました.特に,歩行比はMT,およびBPFの両方に有意な影響を及ぼしており,術後の運転操作能力に対する重要な予測因子であることが示唆されました.
以上の結果から,TKA術後の運転動作におけるアクセル・ブレーキ操作には,歩行比の改善,および疼痛管理が影響することが示されました.
論文名
The Relationship Between Driving Performance and Lower Limb Motor Function After Total Knee Arthroplasty Using a Driving Simulator: A Pilot Study on Elucidating Factors Influencing Accelerator and Brake Operations
DOI:https://doi.org/10.3390/life15050768