論文掲載
本学教員の山口智史准教授(筆頭著者)と浜松医科大学の田中悟志准教授の研究グループによる国際学術論文がJournal of NeuroEngineering and Rehabilitation(IF:3.582)に掲載されました。
経頭蓋直流電気刺激(tDCS)は、新しいリハビリテーション手法の1つとして臨床応用されることが期待されています。しかし、近年では、その効果には個人差やバラつきがあることが指摘されています。本研究では、tDCSの効果を促進するために、身体への“注意”に着目し、陽極tDCSと身体への注意が皮質興奮性と運動学習に及ぼす影響を健常者で検討しました。
その結果、上肢運動皮質への陽極tDCSと身体への注意の組み合わせにより、皮質脊髄路の興奮性が高まり、運動学習に関与する皮質内抑制の脱抑制を促しました。さらに、大脳皮質の変化のみならず、運動学習を向上させることを示しました。本手法が脳卒中後の上肢機能に与える影響については、先行研究で検討していますが、今後は症例数を増やし、その効果の検証が必要です。
Tomofumi Yamaguchi, Kouhei Moriya, Shigeo Tanabe, Kunitsugu Kondo, Yohei Otaka, Satoshi Tanaka.
Journal of NeuroEngineering and Rehabilitation 17: 23 (2020).