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「マリンプログラム」の学術的意義を求めた大学院生活

 儀間 智
(大学院博士前期課程16期生)
現在:琉球リハビリテーション学院理事長・作業療法士
 
 私は56歳で山形県立保健医療大学大学院(本学)へ入学しました。それまでの33年間は、作業療法(OT)の臨床、クリニックの経営、リハビリテーション学院の経営を通してOTの魅力を十分に感じ生きてきました。
 その中でも、沖縄の魅力の一つである海(マリン)を使ったOTプログラムをライフワークとし、「リゾートリハビリテーション」を提唱してきました。具体的には、8年前に海洋療法リハビリテーションセンターを設立しました。そのコンセプトは、「どんな障がいがあっても那覇空港まで来て頂ければ、個別のマリンプログラムを提供する」としました。マリンプログラムに加えて、個別療育を行う「ぎんばるの海(児童発達支援、放課後等デイ)」を開設し、週2回の頻度で、スタンドアップパドルボード、カヌー、シュノーケリングなどのマリンプログラムを実施してきました。このプログラムを通して、利用児童は、海を楽しむようになり、社会性も向上し、それなりの効果を感じておりました。
  しかしながら、効果検証には至っておらず、その証明方法も暗中模索でした。これまでの作業療法士人生では、学会発表が関の山で、研究論文を書くことなんて考えてもいませんでした。ところが、2014年冬に藤井浩美教授と出会い、何度となく教育や作業療法談義をする中で、研究の本質に触れるようになりました。そして、藤井教授とのご縁を生かして、これまでのライフワークを研究成果としてまとめることを目的に本学への入学を決意しました。
 入学が決まり、講義に参加すると「同級生たちは私の娘と同世代、先生方は私と同世代」の状況下、双方に若干の違和感を持ちながらのスタートでした。しかし、講義内容は、とても興味深く、そのカリキュラム編成に感動しながら受講することができました。本学教授陣や事務職員の学生に対する対応がとても良くて、細かな指導と諸手続きに関しても親身にして頂き本当に感謝致しております。
 私の苦手な部分も、先生方からの細かな指導を受け、院生仲間のフォローも頂き、3年かかりましたが論文を書き上げることができました。論文のテーマは"Occupational Therapy with the Marine Program: Improving Self-Efficacy and Social Life Skills of Children with Neurodevelopmental Disorders"で、和名は「マリンプログラムによる作業療法:神経発達障害児の自己効力感および社会生活スキルの向上」です。これまで「ぎんばるの海」でのマリンプログラムを中心にまとめ、Annals of Physiotherapy & Occupational Therapyに掲載されました。また、座間味島においてキャンプ形式で実践してきたマリンプログラムの成果は、"Marine programs improve social skills of atypically developing children”のタイトルで2nd COTEC-ENOTHE CONGRESS, 15-18 September 2021, Prague, Czech (Online).で発表しました. 
 大学院生活を通して、私がこれまで行ってきたマリンプログラムをOTとして行うことの学術的意義を示すことができました。この取り組みで、この先のリゾートリハビリテーションの展開が具体的に見えてきました。大学院に通うことが、私の作業療法士人生の集大成となり、さらなる未来の展望が開けて参りました。皆様には、心から感謝致します。
2022年7月19日