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大学院進学と研究の重要性(土屋謙仕)

(学部3期生)
現在:群馬大学医学部保健学科・大学院保健学研究科 助教
 
 私は山形県立保健医療大学(以下、本学)の3期生(2002年入学)の土屋と申します。現在は、群馬大学医学部保健学科・大学院保健学研究科で教員を行っております。私は、2006年3月に学部を卒業した後、回復期リハビリテーション病棟で7年間の臨床に携わった後、群馬大学大学院保健学研究科に夜間社会人大学院生として臨床活動をつづけながら進学しました。
 
 私は、本学の学部の在学中に先生方から作業療法の発展のためには、研究が非常に重要であると聞いていたことを良く覚えています。しかし、学部を卒業した当時、臨床で働くことしか考えておらず、大学院への進学は考えていませんでした。その私が大学院に進学した大きな理由は、学部生の時に聞いていた先生方からの言葉と臨床でより良い作業療法を提供するためには研究が重要であると実感したからです。
 
 卒業後の私は、毎日対象者さんの生活が出来るように作業療法に従事していました。忙しさはありましたが、対象者さんと一緒にその成果を喜び、充実しながら働いていました。しかし、作業療法プログラムの悩みは多く、本当に最良な内容を提供できているかと感じていました。今は様々な診療ガイドラインがあり、簡単にアクセス・参考にすることができますが、私が新人の時は教科書の勉強と臨床経験が重要であるという話をよく聞いていました。数年働くと経験は悩みを軽減しましたが、プログラムが最良かという悩みは解決しませんでした。また、新人さんの指導にも携わることも多くなり、臨床経験が重要であるという考えでは指導が成り立たず、さらに対象者さんにとって新人かベテランが担当するかで質に差が出ることに難しさも感じていました。そんな時、既に大学院に進学していた学部の同級生からシステマティックレビューまたはメタアナリシスに関する論文を読むことにより、各々の専門的知識を最良の状態に維持できる、レビューは学術論文から成り立っていることを教えてもらいました。見せてもらった論文は過去の介入内容の結果がまとまって比較され、何が効果的なのか明確に示されていました。その時は非常に驚き、喜んだことを覚えています。研究は、「巨人の肩の上に立つ」というように、先人の積み重ねた発見の上に、新しい発見をします。そして、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言う言葉を痛感し、やっと、学部の在学中の先生方の研究が非常に重要であるという言葉を理解しました。
 
 その後、進学した大学院では、ヒトを対象とした研究と、その根拠となる基礎研究も重要であることを学びました。研究活動を通して、その専門分野の知識に加え、情報を深く調べ整理すること、根拠と説得力のある議論の方法、論理的な思考なども学びました。
 
 作業療法士の底上げのため、大学院へ進学し研究に携わる人が増えればと願っています。
令和3年(2021年)4月16日