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大学院5年間の振り返り(由利拓真)

由利 拓真 
(前期13期生・後期2期生・元日本学術振興会特別研究員)
現在:Postdoctoral fellow, Department of Biomedical Engineering, University of Texas at San Antonio
 
 私は2016年4月に山形県立保健医療大学大学院(以下、本学)保健医療学研究科作業療法学分野にフルタイム大学院生として入学しました。現在(2021年3月)に至るまでに原著論文を筆頭で5報、共著で5報、国際誌に掲載することができました。国際学会等での研究発表は13件、国内での発表は26件でした。また、日本学術振興会特別研究員(DC2)の採択とUniversity of Texas at San Antonio校にあるGiambini博士の研究所への研究留学を経験しました。
 
 博士課程5年の間に個人的に目標にしていたことがあります。それは、①在籍中に国際誌に原著論文を4報掲載すること、②研究費を獲得すること、③海外に研究留学すること、そして④後輩を育てることです。①-③は上述の通りです。④については、印象に残った出来事が2点あったので、以下に記します。1点目は、卒業研究として関わった星川恭賛くんについてです。彼は学部4年次に、英語で原著論文を国際誌に掲載しました。これは、私の学部生活からは考えられない出来事で、後輩のポテンシャルを引き出せる教育の必要性を強く感じた瞬間でした。2点目は、博士前期課程の吉田海斗くんとのエピソードです。彼と会話をしていた折にふと、「修士論文は英語でなくても良いのですか?」と驚きの表情で私に尋ねてくれたことがありました。これは、彼の周囲の院生が皆当たり前のように英語で修士論文を提出していた中で、修了要件(修士論文は英文でとの記載はない)を見ての一言でした。私が博士前期課程に入学した際は、英語で修士論文を提出する人の方が少なかった印象でした。しかし、吉田くんの言葉は、私たちの分野全体において国際誌に研究論文を掲載するという機運が高まっていることを実感させるものでした。
 
 思い返すと、私の大学院生活はとても贅沢なものでした。主研究指導教員である藤井浩美先生に加え、本学元教授の清重佳郎先生が副研究指導教員として研究とはなんたるかを叩き込んで下さいました。さらに、山形大学医学部解剖学第一講座教授の内藤輝先生をはじめとした講座の先生方、天童市にある社団丹心会吉岡病院医師の村成幸先生(現本学教授)をはじめとしたスタッフの皆様には、私の研究遂行にあたって多大なるご支援をいただきました。留学の際には、東北大学病院整形外科医師の八田卓久先生が米国研究者との間に入ってくれ、Giambini博士をはじめ、たくさんの医師や研究者を紹介して下さいました。研究関係だけではありません。大学院在籍中は、山形市立病院済生館、特定医療法人敬愛会尾花沢病院、そして社団丹心会吉岡病院にて作業療法士(非常勤)として勤務しました。本学の事務の方々には、前例のない申し出を多数行ってしまいました。にもかかわらず、「これからの学生のために」とたくさんの挑戦を支援していただき、新たな業務を多数請け負っていただきました。上述した大学院在籍中の業績は、決して私一人の力ではなく、本学と協力機関および私に携わって下った全ての皆様のお力添えで達成できたものだと心の底から思います。
 
 最後になりましたが、この場をお借りして改めて皆様に感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
令和3年(2021年)4月3日