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「母校の教員となる抱負」(外川佑)

外川 佑
(学部3期生,博士前期3期生)
山形県立保健医療大学 准教授・作業療法士
 この度,作業療法学科の教員として着任いたしました外川佑(そとかわたすく)と申します.私は本学の卒業生(学部3期生,博士前期課程の3期生)であり,今年で母校に入学してから20年を迎えました.この20年の節目の年に母校の教員として着任できたこと,母校で恩師とともにこれからの次代を担う学生の教育に携われることを誇りに思うとともに,大きな責任を感じております.この着任にあたり,20年前の自分が当時何をしていたかを改めて振り返ると,自身が恥ずかしいくらいロクでもない学生だった記憶(笑)とともに,当時の学長である廣井正彦先生よりいただいた入学式の式辞が鮮明に頭の中に蘇ってきました.私の記憶が間違いでなければ,当時の式辞には「Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country.:国があなたのために何ができるかではなく,あなたが国のために何ができるかを問うてほしい.」という言葉があり,山形県立保健医療大学の学生としてあるべき姿を示してくださっていたように思います.入学から20年経った今,この言葉を振り返るとともに,これからの自分に何ができるか?を考えてみました.
 ここからは私自身に何ができるか?自身の研究テーマについてご紹介するとともに,これからの抱負について述べさせていただきます.私自身が主な研究テーマとしている「障害者・高齢者の自動車運転支援」は,日本国内でも高齢ドライバーの問題を中心に大きな社会問題として取り上げられております.特に,高齢者の運転中止は,うつ症状のリスク増加・健康関連QOLの低下・要介護リスクの増加など,運転中止後の健康面にネガティブな影響を与えることが指摘され,安全に運転できる期間を引き延ばすこと(安全運転寿命延伸)や地域での移動手段を維持することは健康維持において大きな役割を果たします.また,脳卒中後の中途障がいのある対象者の運転再開は地域の移動手段獲得につながり,復職や社会参加の観点から大きな意義があります.
 私はこれまで脳卒中罹患後の対象者の運転再開に向けた評価や支援に関する研究の成果として,本田技研とドライビングシミュレータソフトの共同研究に取り組んでまいりました.このソフトは現在,本田技研から販売されており,全国の病院にあるドライビングシミュレータに社会実装が進められております.また,公民館や教習所と連携し,高齢者を対象とした講座や安全運転寿命延伸のための介入も併せて行って参りました.今回,山形県立保健医療大学に着任するにあたり,これまで以上に研究を通じての地域課題の解決や社会実装へとつなげる地域貢献ができるよう努力して参る所存ですので,皆様のご指導ご鞭撻を賜りたくお願い申し上げます.
 本来であれば,関係者の皆様には直接お目にかかってご挨拶するところではございますが,紙上を拝借いたしまして,抱負と着任のご挨拶とさせていただきます.
令和4(2022)年4月1日