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訃報 畠山 卓朗先生

研究科長 藤井 浩美
 本学の開学当初から非常勤講師としてお世話になっておりました、早稲田大学人間科学学術院の畠山卓朗教授が2016年12月29日に他界されました。謹んでお知らせ致しますとともに、畠山卓朗先生のご冥福を心からお祈り申し上げます。
 畠山先生には、支援機器の講義とコミュニケーションエイド作製の実習を14年間にわたってご担当頂きました。今でも、畠山先生の優しくも心強いお姿や数々の想い出が走馬灯のように蘇って参ります。
 講義の休憩時間や食事会のときには、「人はどこから来て、どこへ向かうのか」「コミュニケーションの本質は何か」から、その時々の人間模様まで、多岐にわたったお話を伺いました。そして、話題の端々には、いつも対象者を想うお姿がありました。
 昨年6月にご自身の病気がわかり、直後に頂きましたメールに、「悪性リンパ腫闘病備忘録」のブログ開設のご紹介がありました。その中に、畠山先生のお人柄を端的に表す内容がありましたので、下記に転載させて頂きます。
 畠山先生!これまで本当にありがとうございました。合掌
畠山卓郎先生2013-01
 2013年2月6日撮影
2016621 () 生きていくために不可欠なこと
 生きていくためには,常に自分の存在を意識し,他者に対して関わることを通して,自分の存在感「役割」を感じられる日々を感じながらいきること...学生さんにはそう伝えてきた.
 でも,それはあまりにも一面的なことであることを,いま気づかされた.
 悪性リンパ腫という目に見えない壁にぶつかり,全ての担当科目,ゼミ指導,社会活動をキャンセルした.ハートフルな教員達に支えられゼミ生の受入サポートは順調に進んでいる.依頼講演についても信頼できる研究仲間のナベさんにお引き受けいただいた.
 一方で安心したものの,自分の手元には「役割」がすべて無くなってしまい,何のためにいきるのかが見えなくなった.何のために,誰のために...
 病棟での患者さん同士のすれ違い,「こんにちは」と小さく声かけてもほとんど返事が返ってこない.少数だがうなずいてくださる人はいるが.
 あとで登場する人との会話でわかったのは,「それだけこの血液内科病棟の入院患者さんたちは症状が重く,自分の世界にとどまって病魔と闘っているのですよ」と教えられた.それからというもの,自分からはあいかわらず挨拶するが,返答がないことに腹を立てたりしないようになった.
 洗面所で鏡の前で椅子に座りながら長時間歯磨きをしている男性がおられ,「失礼します」と声をおかけした.70歳代前半の円背だが長身の男性.笑顔が素敵.
一緒に歯磨きしながら、話したこと.彼がおっしゃるのは「2人部屋でもここは個室なんですよ.一日中,ベッドにいると息がつまりそうで.だからここでこうして歯磨きしていると人とふれあえるような気がして...」 その日出会えたことに感謝して笑顔でおわかれした.
 こうして洗面所での五分ほどの会話,これが一日の楽しみとなった.聞けば84歳,東京・経堂に押すまい,身長180cm,かっこいい.○○さん
 彼の笑顔と素敵な別れの握手にまた明日出会えると思うと,心底から,明日へ向かうチカラが出てくる.
明日は娘夫婦を紹介させてくださいといって5分間ほどの楽しい会話を閉じた.
 生きることの意味のひとつが見えてきた. 人とかかわること,たとえ声が出なくても,目の表情,皮膚感覚,とにかく何でもいいから,こころを通い合わせる時間がもてること...
そんなことにいまさらながら気づかされた.←遅すぎる これまで偉そうなこと伝えていた皆さんに謝ります.(m_m) (m_m) (m_m)